きょう９月１日は「防災の日」／全国で多発する災害

　防災の日は、１９２３年（大正１２年）９月１日に起きた関東大震災の教訓を忘れない、という意味と、この時期に多い台風への心構えの意味も含めて１９６０年（昭和３５年）に制定された。台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波などの災害についての認識を深め、次の災害への備えを怠らないように、その期間に備えを充実・強化し、災害の未然防止と被害の軽減を図るために設けられている。この日を含む１週間を「防災週間」（８月３０日～９月５日）とし、全国各地で防災訓練など様々な活動が行われる。

　２０１１年３月１１日に発生した東日本大震災は、東北地方に甚大な被害をもたらした。昨年度は平成２８年熊本地震、８月の台風第１０号、１０月の鳥取県中部の地震、１２月の糸魚川大規模火災などにより全国各地で様々な被害が発生した。また、今年度に入ってからも７月の九州北部豪雨の災害が発生するなど、大規模な自然災害は、いつ起こるか分からない。
　南海トラフ・首都直下地震は、今後３０年以内の発生確率が７０％と想定されており、さらに、最近は雨の降り方が局地化・集中化・激甚化している。切迫する巨大地震、激甚化する気象災害などに備えるため、国土交通省では、国民の命と暮らしを守る防災・減災対策、国土強靭化の取り組みを加速している。

地域建設業が重要な役割／建設トップランナーフォーラム

　全国の建設業経営者らで組織する建設トップランナー倶楽部（代表幹事・米田雅子慶應義塾大学特任教授）は７月４日、「地域建設業は想定外の災害にどう備えるか」をテーマに第１２回建設トップランナーフォーラムを東京都内で開いた。
　フォーラムの冒頭、趣旨説明に立った米田代表は「地震が少なかった地域で大地震が起き、北海道や東北を強い台風が襲うようになった」と、相次ぐ想定外の自然災害とその激甚化の問題を指摘した。そして、地域建設業に関して「発災時の初動対応や復旧・復興工事など地域防災の担い手としての役割がますます重要になっている」と強調。「農林水産業への進出など事業の複業化の経験や、ＩＣＴなど新しい技術の活用などを踏まえ、地域建設業としての災害への備えについて議論したい」とフォーラムの目的を説明した。
　全国各地で大規模な自然災害が頻発する中、地域の建設業としての備えの在り方を事例発表やパネルディスカッションなどを通して、行政の関係者や学識者を交えて話し合った。フォーラムには全国から約３００人が参加した。